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写真:役行者山

祇園祭山鉾巡行(後祭)当日、ホテル前から出発するのは「役行者山」です。
応仁の乱以前からの歴史ある曳山を前に、この町の誇りを感じます。

Gion Festival

貞観年中(859年~877年)に始まった祇園祭は、1000年以上の歴史があります。京の都に疫病が流行した際、天皇の命により66本の矛を立て、祇園社から神泉苑に神輿を送り、災厄の除去を祈念したことが由来と言われています。

祇園祭とは?

コンコンチキチンコンチキチン—
7月に入ると、市内のあちこちからお囃子が聴こえるようになります。7月1日の「吉符入」から31日の「疫神社夏越祭」までの1か月間に行われる、様々な神事や行事すべてが「祇園祭」です。

動く美術館とも称される山鉾巡行は、毎年ニュースなどでも取り上げられるほど注目されている行事のひとつです。実はこのあとに行われる「神輿」が通ることがメインで、巡行はそのための道を清めるために行われています。
この神輿はかなりの迫力で、見応え十分。巡行が終わったら帰路につかず、ぜひご覧いただきたい行事です。

このように、祇園祭は山鉾巡行以外にも見どころがたくさんあります。
多くの家や商店などの玄関には「幔幕まんまく(玄関幕)」が懸けられ、宵山には高張り提灯が並び、情緒あふれる街並みは散策するだけでもワクワクします。

釘を1本も使わずに山鉾を組み立てる様子、山鉾の懸装品や、各家庭・商店などが秘蔵の美術品を披露する屏風祭、宵山の賑わい…

すべてが祭の一場面で、巡行だけを目当てに訪れるにはもったいないのが7月の京都です。
毎年異なる日程に訪れて、祇園祭マスターになってみるのも一興です。

祇園祭 7月1日~31日
先祭 7月17日
後祭 7月24日
場所 八坂神社、各山鉾町など

※期間中は交通規制が行われます。各山鉾町は当館から徒歩圏内にあります。

※祇園祭についての詳細はこちらをご参照ください。

幔幕幔幕 イメージ
宵山宵山 イメージ
屏風祭屏風祭 イメージ
和食器 イメージ

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ホテルの建つ室町通沿いやその近隣には、複数の山鉾町があります。そのひとつが「役行者山」。応仁の乱以前から続く、歴史ある曳山です。7月23日にはホテル前で本山修験宗総本山 聖護院門跡による護摩焚きが行われ、多くの方が見物に集まります。

役行者山とは?

御神体(人形)は、修験道の開祖 幼名 役小角えんのおずぬ尊称 神変大菩薩役行者しんぺんだいぼさつえんのぎょうじゃ)・
一言主神ひとことぬしのかみ葛城神かつらぎのかみの三神です。

舞台の上では、正面のほこらに役行者が帽子もうすを被り、袈裟・掛絡くわらを纏い、手には経巻・錫杖しゃくじょうを持って座しています。女神である葛城神は手に輪宝を、鬼形の一言主神は赤熊しゃぐまを被り、斧を携えた姿です。
「役行者が一言主神を使って、葛城山と大峰山の間に橋を架けさせた」という伝承を想起させます。

神輿で目を引くのは、美しい懸装品けそうひんの数々。特に神輿の4面に張られた織物は、各山鉾町の誇る自慢の品です。国内の優れた職人が作ったもの、何百年も前に海外から輸入されたペルシャ絨毯など、背景にあるストーリーを含めて奥深いものばかりです。
前面に掛かっているのが「前懸」、横は「胴懸」、後ろが「見送り」、これらの最上部に掛かっている帯のような部分を「水引」と呼びます。

役行者山の水引は江戸中期の作品で、綴錦の名手 西山勘七による「唐子遊図」です。
前懸は、平成9年に復元新調されました。中央に「岩に胡蝶牡丹図」、左右に「波涛飛龍図」という、異なる作品3枚をつなぎ合わせています。
胴懸は左右に向き合う龍の綴錦です。
見送りは二種類あり、「昇り龍図刺繍」と、昭和57年に復元新調された「唐美人園遊図綴錦」が交互に飾られます。

役行者山と言えば、7月23日の午後に行われる護摩焚きが有名です。聖護院門跡の山伏がホテル前の路上に設けた護摩壇で、宵山期間中に奉納された護摩木を焚き上げ、祈願成就を願ったり、後祭山鉾巡行の安全を祈願したりします。
護摩焚きの煙はホテルの建物を隠すほどで、たくさんのご利益が届いていると思われます。
山伏の皆さんが法螺貝の音とともに現れる様子、ひとつひとつに意味のある所作もぜひご覧ください。

クライマックスはやはり、後祭山鉾巡行の行われる7月24日。町中が朝からソワソワしています。
気になって外に出てみると、懸装品を取り付けたり、御神体を神輿の上にお連れしたりする様子を眺められるのも、THE HIRAMATSU 京都ならでは。
「推し」の山鉾として、役行者山を中心に祇園祭をたのしんでみてはいかがでしょうか。

(協力:役行者山保存会

役行者山行事
7月19日 くら出し、荷出し
7月20日 山建て(ホテル前の室町通は車両通行止めになります)、ちまき販売開始
7月21日-23日 宵山
7月23日午後 護摩焚き(ホテル前にて)
7月24日 後祭山鉾巡行

※護摩焚き、前祭・後祭巡行の特別観覧席のご用意につきましては、WEBサイト内「お知らせ」にてご案内いたします。

役行者山 イメージ
役行者山 イメージ
護摩炊き護摩炊き イメージ

Suspension in the hotel

役行者町のホテルというご縁もあり、THE HIRAMATSU 京都の中で「見送り」を展示しています。ご滞在中はいつでもご覧いただけますので、「くら」にお立ち寄りください。

役行者山の見送りは、「昇り龍図刺繍」と、昭和57年に復元新調された「唐美人園遊図綴錦」が交互に飾られていますが、その前に使われていたものも保存会で大切に保管されています。

以前使われていた見送りは、中国・明王朝時代に官工場(王室お抱えの工場)で織られた「金地唐美人図綴錦」と、赤地古金襴(安楽庵裂あんらくあんぎれ1)で縁取った「龍図絽刺」の2種類です。

役行者山には、「文禄3年(1595年)に役行者町の先人が、各山鉾町に先駆けて海外の装飾品を購入した」と、伝わっています。それがこの「龍図絽刺」ではないかと推測されます。
文禄3年と言えば、ちょうど豊臣秀吉が大陸を攻めている頃。戦国武将好きの方は、「勝利の証に小西行長あたりが戦旗を持ち帰ったのではないか?」など、思い浮かべるかもしれませんね。

「龍図絽刺」は、THE HIRAMATSU 京都の「くら」に展示されています。
当時の絽刺技法は衰退していて、復元新調は難しいと言われているとても貴重なものです。
ホテルをご利用の際には、ぜひお近くでご覧ください。

1安土桃山~江戸前期の茶人 安楽庵策伝という人が使っていた金襴裂。
策伝が役行者山の装束として寄進したとされるものが、広島の誓願寺にも伝えられていることから、「誓願寺裂」ともいわれます。

ホテルの中の懸装品 イメージ
ホテルの中の懸装品 イメージ

Souvenir

役行者山ゆかりの品をフロントにて販売しております。
■タペストリー
「祇園会山鉾分布図」には、応仁の乱で焼失してしまった山鉾なども記載されています。祇園祭の歴史を知ることができるタペストリーです。

販売期間 通年

■ちまき
宵山に各山鉾町で販売される「ちまき」には、それぞれご利益があります。役行者山のちまきのご利益は、厄病除け・交通安全・安産・肩こりや腰痛の緩和。宵山にはホテル向かいの会所から、「ちまきどうですかぁ?」という可愛らしい「ちまき売りのわらべ歌」が聴こえてきます。期間中はホテルでもご購入いただけますので、ご利用ください。

販売期間 7月20日~23日
※数に限りがございます。
タペストリー イメージ
タペストリー イメージ
ちまき イメージ

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